薬剤性EDとは何か?

あまり知られていないEDの原因のひとつとして、服用している薬の副作用としてED症状が現れる『薬物性ED』があります。中枢神経や末梢神経に作用する薬剤、循環器系に作用する薬剤、消化管に作用する薬剤などが薬剤性EDを引き起こす原因になりやすいとされていますが、具体的には下記のような薬剤が報告されています。

■中枢神経に作用する薬剤

解熱・消炎鎮痛剤や抗不安薬(精神安定剤、マイナー・トランキライザー)、抗うつ薬、抗けいれん薬、抗精神病薬(メジャー・トランキライザー)、睡眠薬などの向精神薬

■末梢神経に作用する薬剤

骨格筋弛緩薬、鎮けい薬、局所麻酔薬、抗コリン薬

■循環器系に作用する薬剤

不整脈治療薬、利尿剤、降圧剤、血管拡張剤、高脂血症用剤

■消化管に作用する薬剤

消化性潰瘍治療薬、局所麻酔薬、抗コリン薬、鎮けい薬

中でも特に高血圧の治療に必要な降圧薬や精神疾患系の薬に関する薬剤性ED発生の報告が多いようです。

うつ病治療薬によるED

気分障害の一種であるうつ病は、抑うつ気分や不安や悲しみ、焦燥感に支配され、何もやる気が起きず、食欲も低下(または過食)、不眠や頭痛、めまいなどに悩まされるなど、まさに「生きることへの活力」が奪われてしまう病気です。

2008年に厚生労働省が発表した「平成20年患者調査」によると、躁うつ病を含むうつ病の患者数は104万1000人にも達しています。こうした統計からもわかるように、年々うつ病治療薬を服用している人は増えています。

うつ病の大きな原因とされる『ストレス』は心因性EDの大きな原因になりますが、うつ病治療薬の一種であるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)も、長く服用していると副作用として薬剤性EDを引き起こすと言われています。

しかし、薬の副作用が原因でEDになっていても、以前から何もやる気が起きなくなっているうつ病患者さんの場合、その原因もうつ病によるもの、と思いがちです。ですがSSRIの副作用が原因のEDの場合は、その服用をやめればEDも自然と改善します。ただ、自己判断で服用を辞めるのではなく、医師と相談の上で治療を進めていくようにしましょう。

また、SSRIを服用していなくても、うつ病治療としての抗精神薬には、脳のドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質に影響を与える作用があります。通常、ドーパミンが増加してセロトニンが減少すると、性的欲求が高まるのですが、うつ病治療薬はドーパミンを減少させ、セロトニンを増加させる作用があるので、性欲や勃起機能を弱めてしまうのです。それが性欲低下やEDを引き起こす引き金となると言われています。

薬剤性EDの治療と付き合い方

原因が服用している薬剤にあるEDの場合は、単純に考えてその薬剤の服用をやめればEDは改善に向かうはずです。しかし、病気の治療のために必要としている薬剤を簡単にやめることはできません。まずはED症状について医師に相談をし、他の治療法や別の薬に代替できないかを検討してもらいましょう。

また、一部併用禁忌の薬剤(血圧や心臓の薬、不整脈、水虫の薬など)もありますが、多くの薬はバイアグラやレビトラなどのED治療薬との併用も可能ですので、併用が可能か一度医師に相談してみるのもいいでしょう。